田舎の贈り物


ご縁があって、大切なものを譲り受けた。
お礼になにか贈ることにした。
何が喜ばれるか思案したものの、実は会ったことも話したこともない方。
しかも、お住まいは東京。

東京にお住まいの方に、ド田舎の私から贈れる物。
このド田舎にあって、東京にない物。・・・そんな物存在するのだろうか。

地元で人気のケーキ屋さんの焼き菓子。
おしゃれな雑貨屋さんのフラワーベース。
いい香りのフレグランス。
私が知ってるそんな物、東京に通用する筈がなかろうに!

ということで、ここは素直に地元の名産を贈ることに。
地元の名産と言っても、東京にはアンテナショップもたくさんあるだろうし、今はネットで簡単に世界中の物が買える時代、珍しい物なんかないかも知れないが、それでも下手にスイーツや雑貨を贈るよりは正解な気がした。
とは言え、地元のと言っても、いざその町の中にいると、身近な名産に気づきにくいものである。
早速、ネットでわが町の名産を調べてみることに。
【名産】【人気のお土産】【レアお土産】【喜ばれるお土産】・・・ベスト10やら、30選やら。
わが町の名産を検索してみると、そこには私の知らないものがずらり。
食べたことも、聞いたこともない。
聞いたことはあるけど、名産??
最近『映える』と流行ってるらしいが、老舗じゃないぞ!ポッと出やぞ!!わしは認めんぞ!!
という品がぞろり。
これらを名産と紹介されてしまうと、地元民として納得しがたい。
ガイドブックのレストランのようなものだ。
よくガイドブックには載っているが、地元の人は行かない。っていうやつ。
本当に知りたいのは、地元の人が行く店なのだ。こっそり教えてくれ、といいたくなる、ツーなやつ。
とは言え、ネットで紹介されているんだから、地元民以外に期待されているのかも知れない。
喜ばれる、と聞けば、ではこれを贈ろうか。と、一瞬迷ったが、地元民が食べたことのない地元の名産を贈るのはいかがなものかと思い直した。
美味しくなかったらどうするんだ、悔しいじゃないか。
私のオススメの名産が、相手のお気に召さなくても、それはお口に合わなかっただけ。
だけど、私の知らないものを贈って、美味しくなかったら、なんだか悔しい。
私がいただく側なら、ネットで有名な物より、その人のオススメを頂きたい。たとえ口に合わなくとも、その方がいい。
やっぱり、私の知っている、私のオススメを贈ろう。
そして、田舎には田舎の良さがあるじゃないかと、地産の野菜を贈ることにした。
野菜は、近所の産直市場でカラフルで珍しいものを選んだ。
紫のカリフラワーに、赤いじゃがいも、葉付きの人参に、丸々とした国産にんにく、黄色と緑のズッキーニに、つやつやのナス・・・。
珍しいと言ったって、東京にもこれくらいあるだろうけれど、私はそれらを値札付きで贈ることにした。
失礼は承知だが、東京との違いは、そこにしかない。
紫のカリフラワーは200円、ズッキーニも2本で200円、ナスも3本180円、人参3本120円・・・。
野菜の種類では驚いてもらえないが、お値段には驚いて楽しんでもらえるのではないかと。
そして、渦中のお米も贈った。昨年の秋に採れたものだ。
後は、本当の名産の漬物に、香辛料、加工食品やジュースを贈った。

早速、到着のご連絡を頂き、珍しい野菜の種類ややっぱりお値段に驚いてくれ、丁寧に野菜一つ一つの感想を頂いた。
喜んで頂けたようだ。私の狙い通り、田舎の野菜の安さには驚いて頂けたようだ。

一時はネットの情報に身を任せようかと思ったが、思い直して良かった。
一生懸命選んでよかった、お米も大変喜んで頂けた。

東京にはきっとなんだってあるけれど、こういう形で田舎を楽しんでももらうことができて良かった。
また、都会の方になにか贈る時はこの方法でいこうと思う。

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