ご先祖さんを想う

週末、映画を4本見た。

そのうちの1つが【侍タイムスリッパー】。
先日、テレビで制作秘話をやっていたのだ。
早速、近所の映画館で上映がないか検索したが、こんなド田舎にそんな気の利いた映画館はなかった。
いや、2ヶ月ほど前まで上映しているところがあったのだが、その時には私がこの映画を知らなかったのだ。イケていないのは私の方だ。

細かいストーリーや個人の感想は割愛するが、その時代(江戸)を精一杯生きた人々がいるから今の時代がある。というのが心に響いた。
今まで、江戸を生きた人々と自分が繋がっているということを考えたことがなかったのだ。
小さい頃、祖父と一緒によくテレビで時代劇を見た。面白かった。
それでも、その時代の人々と自分が繋がっている、作り話しではなくこういう時代が本当にあった、ということを考えたことがなかったのだ。
私の曾祖父さん、そのまた曾祖父さん・・・どれくらい遡れば江戸なのかよくわからないけれど、ずっとずっと昔のご先祖さんのことを考えたことがなかったのだ。
侍タイムスリッパーを見てようやく、過去の時代を一生懸命に生きてくれた人々がいて今があるという、当たり前のことがいたく心に響いたのだ。

侍タイムスリッパーを見たのが、お昼すぎ。
その後、恋愛もんの映画を1本見て、寝る前にもう1本見た。
それが【永遠の0】。

感動モノを、戦争モノを見るつもりはなかったのに、なぜかその日に限って急に永遠の0に決め再生してしまった。
戦争映画の中でも特に特攻隊の話は避けている。
年頃の息子がいる。彼らと同じ年頃の。
我が子と重なり、まともに見ることができない。
永遠の0が、特攻隊の話とは知らなかった。
見始めると、止めることはできなかった。
その時代、息子と同じ年の少年は飛行機を操縦した。
親元を離れ、国のために死んだ。
今の時代と重ねると考えられない。
時代が違えば、私の息子も国のため、私の元を離れ飛行機を操縦し国のために死ぬ。
考えられない。怒りで震える。

この時代を必死で生きた人々が、本当にいたから、今がある

こんな時代を、本当に生きた人々がいるのだ。
100年も前の話ではない。
10代で、片道の燃料を積んだ飛行機で戦った少年がたくさんたくさんいるのだ。
息子を見送った母親がたくさんいるのだ。
わかっている、知っている。
でも、どこか遠い昔の話で、歴史の一つで、自分には関係のない話になっていた。
本当に、本当にこんな時代を生きた人々がいるのだ。

正しい戦争と信じ、この時代を精一杯生き抜いた人々がいるから今がある

不思議なことで、たまたま侍タイムスリッパーを見てから永遠の0をみたから、私はこの当たり前のことを改めて考えることになった。
きっと私のことだから、永遠の0だけを見たなら、やっぱり戦争はダメ、特攻隊なんてありえない、考えられない。で、終わっていただろう。

この2作を連続で見たことで、ようやく私は自分のご先祖さんのことを想ったのだ。
いつからか、私は『死んだ人間より生きてる人間』という考えが身についていた。
死んだら無だと思っている。地獄も極楽も無念もない。心臓が止まった瞬間に無なのだ。
残された方がどう捉えるかは自由だが、私が死んだらそれはもう無なので、盛大にお葬式を上げて頂く必要も、お墓参りをして頂く必要もないと思っている。
何百万も使ってお葬式を上げるくらいなら、息子たちには海外旅行にでも行っていただきたい。少ない遺産を有意義に使っていただきたい。
墓参りをする時間があるなら、庭の掃除でもしていてほしい。秋川さんじゃないが、私はそこにはいないから。
これは死んだ側(私)の気持ちで、見送る側がどう思うかは自由なので、盛大にお葬式を上げたい、それが送る側の望みというならそれでいいんだけれど、義務的に思っているだけなら、ぜひ海外旅行へ。

と、まぁ。いつからかこんな風に考えるようになっていたので、私はご先祖さんを想う心が欠けている。
墓参りに行ったところで、会ったこともない知らない人達だ。こんにちわ。私は元気です。としか言いようがなかった。
法事なんかは、坊さんのお教よりその後の食事会を楽しみにしている。

とは言え、まさか今更お墓の前で涙を流すこともできないし、やっぱり死んだ人より生きてる人という考えも変わりそうにない。
それでも、その気持と平行にご先祖さんのことを想うことはできる。
会ったこともない、曾祖父さんや曾祖母さん、そのまた曾祖父さんや曾祖母さんはどんな時代を生きたのだろう。
どんな人だったのだろう。
私の祖先にはどんな人がいたのだろう。
涙は出ないけど、ご先祖さんに興味を持って、想うことはできる。今はそれでいいのかな、と思う。

でも、両親が生きている間に、両親の話、祖父母の話は聞いておきたいと思った。
父方の祖父は、私が12歳の時に死んだ。
祖父の思い出はたくさんある、でも、そんな祖父がどんな時代を生きてきたのかはあまり知らない。
戦争の話も少ししか聞いたことがない。
祖父が子供の頃、日本はどんな時代で、戦争とはどんなものだったのか、初めてテレビがやってきた日のことや、好きなおやつや遊びの話、そんな話を父からでも聞いておきたいと思った。

祖父たちが、その時代を精一杯生きてくれたから、今の私の人生がある、息子たちが生きている。

映画4本見てよかった。
侍タイムスリッパーと永遠の0、同じ日に見て良かった。
翌朝、目はパンパンだったけど、徹夜で永遠の0を見て良かった。
昼に侍タイムスリッパーを見てよかった。

そんな不思議な日だった。


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